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Parkcitynet(武蔵野三鷹CATV)について


はじめに
 0422地域には武蔵野三鷹ケーブルTVという地域CATVが有ります。この会社は武蔵野市、三鷹市でサービスを行っており、CATV以外に全国で初めてインターネット接続サービスを行いました。筆者は最近このサービスに加入したので、これから加入を検討している皆様への参考に幾つか書いてみましょう。なお、この文章は筆者の独断と偏見が入っている可能性が有ります。

CATVによるインターネットサービスとは?
 現在、個人ユーザーはOCNエコノミーなどの専用線を引いている様な一部の方を除くと、殆どがISP(プロバイダ)へのダイヤルアップ接続が主体です。そんな中で一部地域では各家庭までケーブルを敷設しているCATV(ケーブルTV)によるインターネット接続サービスが行われています。通常のTV視聴サービスではCATV側からユーザ宅への一方にしか信号が流れないので、古くからCATVサービスを行っていた所では殆どが単方向のケーブルです。しかし、最近になって、ユーザ側からCATV局への上り信号を流せる双方向型のケーブルを利用してインターネット接続サービスを行う所が出てきました。これは、TV信号とは別の周波数帯を利用したもので、CATVケーブルとはケーブルモデム経由で結ばれます。武蔵野三鷹CATVは日本国内では初めてのCATVインターネット接続サービスを開始しました。

武蔵野三鷹CATVって?
 現在の日本では各地域ごとに1社という行政指導(規制)によりその地域ごとにCATVサービスを行う会社があります。武蔵野三鷹ケーブルテレビはその名前通り武蔵野市及び三鷹市を対象としたCATVです。本社は三鷹市のセコムのビル内に入っています。CATVは難視聴地域を対象としたものを除くと、地上波とCS/BS及び独自番組の視聴サービスを有料で行うのが業務です。しかし、CSも一般家庭でアンテナとチューナーを利用しての視聴が可能になりました。現在、衛星放送は多チャンネル時代を迎えて熾烈な争いを繰り広げています。CS各社にしても地域ごとでのCATV経由だと対象者が限られるのに対し、直にユーザーと契約した全国対象でやる方が契約者数の増加が見込めます。そんな中、武蔵野三鷹CATVは都市型CATVとして最初から双方向ケーブルを敷設してサービス開始しました。正式名称は武蔵野三鷹CATVですが、愛称としてパークシティという名前があり、バス側面や電柱への広告も盛んに行っています。インターネット接続サービスとしてはParkcitynetという名称で行っています。出資や技術はビルの大家であるセコムの他にIBMや富士通などの様で す。

第一種通信事業者
 ISP(プロバイダ)には第一種通信事業者と第二種通信事業者の2種類が有ります。自前で回線を持つキャリアや超大手プロバイダなどは第一種ですが、大半の(ISP)プロバイダは第二種です。武蔵野三鷹CATVは地域プロバイダとしては珍しく第一種通信事業者です。これは、CATV経由でのインターネット接続が国内で初めてで有ったため、許認可を得やすくするためのものと思われます。また、地域内でのNTT網に替わる電話サービス開始をにらんだものかも知れません。しかし、第一種で有るがための弊害も有ります。例えば、料金改定などです。届け出を出すだけで済む第二種に比べて小回りが効きません。

インターネット接続サービスの内容
 CATV経由でのインターネット接続サービスは96年に開始されました。開始当初はアナログモデム経由というもので、CATVケーブルをアナログ回線として使用するものでした。CATV局側もアナログで受けてそれをデジタルに変換した上で上位に接続していました。ユーザは通常のアナログモデムでのNTT回線経由と同様の手順で接続します。ただし、モデムの接続先がNTT網でなくCATVのコミニュケーション・アクセス・ユニット(CAU)であり、ダイヤルアップの番号も通常のNTT番号体系ではないというのが違いになります。
 ケ−ブルモデム経由でのLAN型接続は新たな課金システムの開発の遅れ(=開発している所がタコか?)により当初予定からかなり遅れてサービスが開始されました。ケーブルモデムは愛知電子扱いのLANcity[現在はBayNetworks(Notel)]製のLCP(Personal Cable Modem)が貸与されます。ブラウザ上でローカルな認証ページ(外部のDNSには登録されていないサーバ)にアクセスした上でID、パスワードを打ち込んで接続開始されるシステムです。そしてブラウザのページ上から接続を切る操作をして接続を終了させます。なお、LANcityのケーブルモデムについてはこちらの解説(NTT BL-3000より)やここを参照して下さい。
 個人向けは短時間固定+従量課金のサービスのみで、インターネット本来の姿である常時接続サービスは月額 255,000円という非常に高価なものです。従量課金システムには富士通SSL(ソーシアルサイエンスラボラトリ)のInterBillを使用しています。
 その他のサービス内容についてはこちらをご参照下さい。本社で話を伺った限りでは個人向けサービスは初心者を対象としている様です。
 なお、上流の東京インターネット(PSI Netが買収)へはTTNetの光ファイバー経由で接続しています。

他のCATVとのサービスの違いは?
 その後、各地のCATVでもインターネット接続サービスが始まりました。どんな所が有るのかはこちらとかこちらをご参照下さい。CATV各社はそれぞれが別会社である事からサービス内容にも差が有ります。TV視聴サービスはともかく、インターネット接続サービスは会社ごとにかなりの差が有ります。現在の趨勢はインターネット本来の姿である常時接続サービスが多い様です。しかも武蔵野三鷹CATVの様なべらぼうに高い金額でなく、月々1万円以下でLAN型の常時接続が受けられます。都市型CATVとしても横浜市金沢区のしーぷるねっと台東CATV(TCT)や東急CATVや柏のALLNETなどが安価な常時接続サービスを行っています。
 さらに従量課金でも品川区のCATV品川や四日市のCTYの様に実際に外部とのデータ転送が行われた時間やデータ量で課金する形態があります。この場合、CATVのメールサーバやCATV網内のWWWサーバへの接続は無課金です。しかし、武蔵野三鷹CATVの場合はCATV局のメールサーバやCATV網内のWWWサーバへのアクセスでさえも従量課金の対象になります。

CATVサービスの特異点
 NTTの電話回線利用のダイヤルアップに比べてCATVの場合にはユーザ宅までのケーブル工事料金がかかります。通常のISP(プロバイダ)では初期費用なり加入費用が\0〜\10,000程かかりますが、CATVの場合には回線工事を含むためにさらに高額の費用がかかります。武蔵野三鷹CATVの場合では\30,000です。これをNTTへの回線接続料金で考えると、3分10円としても10×3×3000=9000分=150時間となります。一月15時間接続で10ヶ月分になります。深夜時間帯(23:00〜8:00)では4分10円ですからさらに多い時間となります。タイムプラスを併用すれば、さらに接続時間は増えます。常時接続というメリットがなければあまり引き合うモノではありません。
 また、集合住宅などでは配線が双方向をサポートしていない場合が有り、CATV視聴は出来てもインターネット接続サービスが受けられない場合があります。
 LAN型接続ではインターネットのグローバルアドレスでなく、プライベートなIPアドレスを振る事もあり、WWW閲覧(ネットサーフィン)は出来ても、ネットワークゲームなどに支障をきたす場合があります。

実際に使用してみて
 ParkcitynetのページではLAN型接続では10Mの超高速と謳っています。しかし、Parkcitynet内のコンテンツは数少ないユーザホームページくらいしか無いので、殆どが外部接続になります。上流は東京インターネットに3MBですから、帯域を独り占めしたとしても3MBです。実際にはニューズグループのフィードなども有り、外部への帯域を独り占めする事は考えにくいので3MB以下という事になります。また、10Base-TのLANであればコリジョン発生を考えるとLAN内部でも10MBのフルスピードが出るとは到底考えられません。この辺りはレンタルサーバの広告にも似た誇大広告だと感じます。例えば家庭内LANからダイヤルアップルータでISDN接続してもインターネットに10M接続とは決して言いません。それを臆面も無く10Mの超高速と言うのは、ネットワークの事を知らないか初心者を騙そうとしているかのどちらかとしか思えません。
 実際の使用感では速いISP(プロバイダ)でのISDN128kbps接続に比べて特別速い感じは有りません。また、相手先サーバが混んでいる場合はなかなかパケットがやってこないのはCATVでも同様です。それどころか接続料金が高い分だけいらいらがつのります。数少ないローカルなページへのアクセスか、余程太い回線で繋がった空いているサーバで大容量のファイルをダウンロードするといったえらく限られた条件下でない限り速さを実感出来ません。
 それよりも、ISDNでダイヤルアップルータを使用している筆者にしてみると、認証ページにいちいちアクセスして接続開始、接続終了するというスタイルが物凄く使いにくく感じます。高額な料金を取るサービスとは到底思えない使い勝手の悪い、ユーザへの嫌がらせかと思える代物です。筆者は課金システムの作成者はユーザからインターネット接続を遠ざける意図でもあるのかと思いました。使い勝手からすると高額な課金とあいまって、このままでは到底21世紀に通用するシステムとは言えないと感じます。

Parkcitynetの様々なデメリット
 最近はスパムメール対策で、多くのISP(プロバイダ)が自前のAPからの接続以外でのメール発信を許可していません。しかし、メール受信に限っては自前のAP以外からの接続でも出来る所が多い様です。全国に数多くのAPを展開していれば、出張先でのメール送受信が可能です。しかし、ParkcitynetではCATV経由以外でのメールサーバ接続を許可していません。従って、自宅のパソコン以外からはメール受信さえも不可能です。モバイル環境ではメールが使えません。煩雑な設定(初心者には難しい)をユーザ自身が行う事で、メールの転送のみ可能になります。しかし、これでは折角のメールアカウントが無料のANETなみにしか使用出来ないという事です。
 また、メール送受信や自分のホームページスペースへのファイル転送もしっかり高額な課金をされるため、こまめなページメンテナンスに躊躇する様になります。そうなると作ったままの野ざらしのページが多くなり、名ばかりの情報発信になる可能性が大きいでしょう。
 さらにLANボードのMACアドレスを登録して使用するため、複数台のマシンを切り替えての接続はLANボードを一々差し替える必要が有ります。また、高額な料金を取っているにもかかわらず、IPアドレスは一つしか与えられないため、家庭内LANからの複数のマシンからの接続はNATサーバを立てるといった煩雑な設定(初心者には難しい)をしないと不可能です。現在流行しているダイヤルアップルータ程の安価で簡単な家庭内LANからの接続は無理です。

Parkcitynetのページを批評する
 ISP(プロバイダ)の顔とでも言うべきホームページですが、配慮の無さが目立ちます。同じサーバ内のコンテンツへのリンクにもかかわらず不必要なTARGET TAGの乱用やMETA TAGの欠如、そしてテキストブラウザへの配慮の欠けたリンクアイコンなどです。それにお知らせ[1997/11/24 update] というページ内にローカルな外部から見えないリンクが張ってあるのもいかがなものかと思います。(98年10月31日現在) また、電話代不要までは正しいとしても、安価であると言うのは0422,0424地区のISP(プロバイダ)情報の管理者である筆者からすると、比較対象をわざと高額な所とした、まことに自分達に都合の良い偏った情報であり、事情を知らない初心者を惑わす悪質な書き方だと感じます。さらにセキュリティを考慮するあまりか、騙すつもりなのか、外部への情報提供が不足しています。(ディスクロージャー不足) Fortune Internetくらいにネットワーク状況を外部に公開しろとは言いませんが、本当に公開出来ないページを除いてもっと外部への情報公開が望まれます。例えば、現在のページ内容では、ホームページ開設申し込みに電子メールや電話ではなく、郵便での申し込み必要であるなどは一言も書かれていません。まことにお粗末と言うべきでしょう。

結局お勧めなのかどうなのか?
 筆者は0422,0424地区のISP(プロバイダ)情報なるページを開設しています。武蔵野市及び三鷹市はごく一部を除いて武蔵野三鷹MAに属しています。最近では固定料金制のISP(プロバイダ)もかなりの数になります。サービス内容はそれぞれですが、タイムプラスやテレホーダイなどの電話料金割引サービスを用いれば、決してコストパフォーマンスは悪くありません。ParkcityNetはかなりの初期費用(工事費用)がかかる事と接続料金が高額な事からヘビーユーザにはお勧め出来ません。また、一月あたりの接続時間が少ないライトユーザの場合は電話料金も少ないですから、高額な初期費用を払ってまで契約する価値は少ないでしょう。現在、CATV視聴のために既にケーブルが引き込んであり、初期費用が抑えられ、パソコンが一台のみでなおかつ接続時間が少ない場合のみ検討してみる価値が有るでしょう。なお、その場合でも使い勝手が悪いという事を考慮して下さい。

筆者の場合の使用法
 現在はLAN型の接続のIAタイプで契約しています。それ程のスピードが出る訳では無いので98年12月から128k接続コースに切り替える予定です。ISP(プロバイダ)としては到底メインで使えるしろものでは無いので、少しでも元を取るべくCGI置き場として使用する予定です。ただし、単にCGIを利用するだけなら料金的にレンタルサーバの方に軍配が上がるのは言うまでも有りません。メールアカウント追加や独自ドメイン使用ならばなおさらです。

武蔵野三鷹CATVのこれから
 BizTachCom Trackから「武蔵野三鷹CATV」で検索するとBizTach Newsの過去記事が検索出来ます。それによると集合住宅でのADSLモデムによるサービスやEnhanced TV(リース)使用によるサービスが予定されている様です。(ParkcityNetのページ上ではそうした情報公開は存在しません) しかし、認証ページ接続での従量課金ベースである限り、物凄く使い勝手が悪いため爆発的普及は望めません。NTTのOCNエコノミーも先々値下げが予定されており、インターネット接続ユーザはそちらに乗り換える事が考えられます。CATV事業そのものもCSチューナーの一般への普及で翳りが出る可能性が有ります。日本初のCATVインターネット接続といったプライドを捨てて、消費者ニーズをきちんと汲み上げられるかどうかに将来がかかっているでしょう。手始めに上流接続先をTTCNあたりに切り替えるとさらなる接続料値下げが見込めると思われます。

武蔵野、三鷹住民の不幸
 ParkcityNetが安価な常時接続環境を提供しない限り、個人やSOHOでの常時接続はOCNエコノミーかNCC各社のOCNアクセスラインを使用したものになります。しかし、OCNアクセスライン使用のサービスはNTTビル単位でのサービスになるので、需要の望まれる地域でしかサービス開始されていません。すでに武蔵野三鷹CATVが有るのでこれから他のCATVが進出してくる事も無いでしょう。他地域でのCATVによる安価なインターネット常時接続環境は武蔵野市、三鷹市住民は受ける事が出来ません。従って無いのも同然どころか、可能性が狭まる分だけ不幸と言えます。これからの情報化時代を迎えて取り残される可能性が大きくなります。一般の個人が安価な常時接続環境を享受するには、NTTによるFiver to the Home(FTTH)やxDSL接続が実現するのを待つか、タコな認証プログラムや古い考えを捨ててParkcityNetが改心するのを待つしか有りません。


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