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ISDNの光と影


名称について

 ISDNはIntegrated Services Digital Network(統合デジタル通信サービス網)の略称であるのは皆さんよくご存じですね。このISDNのNTTにおけるサービス名称がINSネット64(または1500)です。ではINSは何の略かと言うと、Infomation Network System(高度情報通信システム)の略称です。その昔(昭和59年)、武蔵野三鷹地区でINSモデルシステム実験がはじまった頃にはINSを「I・いったい、N・何を、S・するのだろう」とも揶揄されてました。
 大企業以外の通常の2B+DのISDN(INSネット64)は別名BRI(Basic Rate Interface・基本インタフェース)と言います。23B+DのISDNはPRI(Primary Rate Interface・一次群速度インタフェース)と言います。NTTではINSネット1500と呼ばれています。では、ISDNでない通常のアナログ電話は他にどんな呼び方が有るのでしょうか?NTTでは加入電話と呼び、その他にPSTN(Public Switched Telephone Network・公衆電話交換網)という呼び方もあります。

何故、ISDNのオンライン申し込みページはあんなに多いのか?

 サーチエンジン等でISDNをキーワードにして検索すると、ISDNについての説明とオンラインまたはメールでの申し込みの出来るページが数多くあります。ISDNについての説明は簡単なものから力の入った物まで様々です。TA等のISDN機器のメーカが自社製品のPRを兼ねてISDNの解説をしているのはもっともですが、それを上回る数の申し込みページが存在します。これらのページは、NTTフレンドリーショップと名乗っているところもあります。平たく言うと、NTTの代理店です。彼らは、ISDNやテレホーダイ等のNTTのサービス商品の申し込みを、ユーザからNTTに取り次ぐ事によりNTTからマージンをもらっています。そこで、ISDN申し込みページを開設してユーザからの申し込みを待っている訳です。最近では、客寄せのためにマージンの一部を申し込みしたユーザに還元して景品やキャッシュバック等を行っているページもあるようです。まだ申し込みが済んでいなくて、日数に余裕のある方はこれらの景品付きのところで申し込むのも一つの手かもしれません。(注:筆者はこれらのページの保証はいたしません。)

ISDNの知られざる利点

 パソコン雑誌や上記のオンライン申し込みページやNTT ISDNホームページ等で取り上げられているISDNのメリットは、回線速度が速い、一度に2回線使えるというのが多い様です。確かにそうですが、それ以外にもメリットはあります。
 1.ISP(プロバイダ)にインターネット接続する時に繋がるまでが速い。
プッシュホンでないダイヤルパルス式でモデム接続するとすごく時間がかかります。プッシュホン契約すると少し時間が縮まりますが、TAやISDNボードでの接続はそれをさらに上回ります。ルータに至っては意識してダイヤル接続する事なしにブラウザやメーラ等を動かすとトリガパケットが発生して数秒後には繋がります。この感覚は専用線に近いものがあります。その反面、意識しないでも繋がるために注意しないと通信料がかさみます。
 2.データ通信時に安定している。
モデムによるアナログ接続は33.6kや56kまで拡張されましたが、これらは最大スペックというだけで、常にその速度での接続が可能なわけではありません。現実にはモデムで接続した後も常に通信速度は変化しています。また、NTT自身はアナログによるデータ通信速度を9600bpsまでしか保証していません。従って、回線状態が悪くて通信速度が上がらなくても、NTTによる改善は望めない事が多いでしょう。さらにアナログでは天候によっても回線状態が変化します。ISDNではこの様な事は無く、Bチャネルあたり64kbpsの速度をNTTが保証しています。
 3.数多くの通信機器を使用出来る。
アナログでもブランチ接続で複数の機器を使用する事は出来ますが、接続する機器が増える程不安定になります。ISDNではS/T点からのバス配線により8台までのISDN機器が接続出来て、TA等のアナログポートにアナログ機器を接続出来ますから、トータルでかなりの数の通信機器を安定して接続出来ます。

ISDNの欠点

 電話回線は通話やFAX、パソコン通信、インターネット接続だけに使われている訳では有りません。その他にもガス会社の検針や警備会社への通報等にも使用されています。これらのサービスはアナログ網を前提としているため、ISDNでは問題になることがあります。例えば東京ガスマイツーホーQ&Aにあるように端末装置(T-NCU)がデジタル対応ではありません。参考リンクのISDN & ガス集中検針もご覧下さい。LPガスのオンライン監視にはウェルネットWELCOME24YAZAKINCU一体型・収納型S型保安ガスメータ等があり、実際の様子をここで見る事ができます。これらのサービスはノーリンギング(無鳴動着信)を利用している事が多いのですが、ノーリンギングはISDNのTAではサポートされていません。Dチャネルを用いたISDN向けの機器が開発されるまでは、フルにサービスを受けられない事になります。ガス会社からの検針はサポートされても、外出先からの自動遮断等はISDNではサポートされていません。
 また、家庭やオフィス等で警備会社と契約すると、窓やドア等にセンサーを付けて、侵入者や非常時等に電話回線経由で警備会社に通知するサービスがあります。これらのサービスはアナログ回線では通話中の回線を強制切断して警備会社に通報する装置を設置します。ところが、ISDNではサポートしてるといってもその内容はごくごく一部の種類のTAのアナログポートにその装置を接続出来るというだけで、S/Tバス配線上に繋がれた他のISDN機器がBチャネルを2つ用いている場合、警備会社への通報は行われません。

ISDNは停電に弱い?

 アナログ回線に電話機能のみの単純な有線電話(黒電話等)を使用している場合、電力線が停電になっても、電話は48Vの局給電で動作出来ます。しかし、ISDNでは停電になると電話が使用出来なくなると言われています。そのために最近のTA等は乾電池により停電時のバックアップをしています。これを「ISDNは停電に弱い」などと言っている無知な人を見かけます。これは嘘です。現在、アナログ向けに売り出されている家庭用電話機器は停電時の動作を考慮しているものはほとんど見かけません。コードレスの親子で、親機の受話器まで無線にしたものなどを多く見かけます。これでは、停電時に親機からの電波送受信が出来なくなり、通話は不可能です。ISDNの場合はTA、ダイヤルアップルータ共に最近の製品は停電時に電池による動作が可能です。電池使用がいやであれば、外付けの単体DSUにNTTのS-1000かS-2000を繋げば、局給電のみで動作可能です。 

ISDNの不利

 ISDNに切り替えても、基本料金は高くなるものの、通話料(通信料)はアナログと同じであるというのが97年までは常識でした。テレホーダイではサービス料金が高くなるとはいっても、2B同時接続も出来る訳ですから、アナログよりは高くても納得出来ました。テレホーダイ以外の定額制でない割引サービスにアナログのみのものもありましたが、会話主体に考えられており、データ通信主体として考えるとそれ程魅力のあるサービスではありませんでした。NTT以外の長距離NCCや国際電話の料金もアナログとほぼ同等でした。
 しかし、その前提が崩れるときが来ました。言うまでもなく、地域系NCCの東京電話(TTNet)の参入です。市内通話さえも割引する料金体系に、NTTをはじめとする既存のキャリアはなりふり構わない値下げ競争を始めました。ところが、東京電話はアナログ回線のみのサポート(TTNetの自社網を除く)で当初参入し、ISDNでのサービス開始は98年夏となりました。迎え撃つNTT側もエリアプラスやタイムプラス等の割引サービスをアナログ回線のみに限って開始しました。ISDNは東京電話とNTTの値下げ合戦の恩恵を受けるのがお預けになってしまいました。これは0422,0424地域のような03地域の隣接MAエリアや、テレホーダイ以外の時間にインターネットアクセスするユーザにはかなりの不利です。これらの不利も、東京電話がISDNでのサービスを開始すれば解消していくと思われます。(98年3月記)
 98/6追記
やっとこさISDNでのエリアプラスが始まります。詳しくはこちらへ。また、東京電話のISDNサービス開始は遅れています。


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